2026/8/10
活動報告
現在も元気に過ごしています――幼鳥の近況をご報告します
いつも「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト」を温かく見守り、応援してくださり、本当にありがとうございます。
前回の活動報告には多くの反響をいただき、皆さまが放鳥した幼鳥のことを気にかけてくださっていることを、改めて感じました。
幼鳥は現在も元気に過ごしています。私たちが補助的に用意している餌を食べていることも確認できており、現時点では大きな心配はない状況です。
放鳥後しばらくは緊張の続く日々でしたが、無事な様子を継続して確認できるようになり、現場のスタッフも、ようやく少し肩の力を抜いて見守れるようになってきました。
キツネには負けられない?幼鳥の小さな意地
先日は、用意した餌の近くに現れたキツネと、幼鳥が向き合う場面が観察されました。幼鳥はすぐにその場を離れることなく、相手の様子をうかがいながら対峙していました。
カザフスタンを中心とする中央アジアには、訓練したイヌワシを使ってノウサギやキツネ、時にはオオカミを狩る伝統があります。
「まだひよっこだろう」と油断して近づいてきたキツネに対し、「キツネには負けていられない」と、イヌワシの意地を見せたのかもしれませんね。
ほかの野生動物と出会い、相手との距離を測りながら行動する姿からは、幼鳥が自然の中で日々を過ごしていることが感じられます。誰かに教わったわけではないのにもかかわらず、それでも簡単には引かない姿に、イヌワシとして生まれながらに備わった本能を感じたスタッフでした。

写真)キツネと睨み合うイヌワシ
秋頃までは、親鳥に代わって給餌を続ける予定です
野生下のイヌワシは、巣立った後も少なくとも11月頃まで親鳥から餌をもらいながら成長します。そのため、本プロジェクトでも、幼鳥の状態を確認しながら、秋頃までは親鳥の代わりに給餌を続ける予定です。
幼鳥がどのように狩りの方法を身につけるのかは、まだ十分にわかっていません。親鳥から教わるのか、親鳥や他の成鳥の行動を見て覚えるのか、あるいは生まれながらの本能によるものなのか・・・。さまざまな可能性が考えられていますが、科学的には明らかになっていないことが多くあります。
本プロジェクトでは、以前の記事でご紹介した南スコットランドの成功事例と、今回の幼鳥の成長や行動を比較しながら、給餌とモニタリングを続けていきます。日々の観察を重ね、幼鳥が自立していく過程を一つひとつ確かめていくことも、今回の取り組みの大切な目的です。
新たにお伝えできる情報がまとまりましたら、改めてご報告します。これからも幼鳥の歩みを温かく見守っていただければ幸いです。

