PROJECT
プロジェクトについて
私たちは、南三陸の空に再びイヌワシが舞う未来を目指し、「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト」を開始します。一度この地から姿を消したイヌワシを再び定着させるのは容易なことではありません。2029年までに3回の放鳥を行い、その手法の確立を目指します。道のりは長く険しいかもしれませんが、必ず再びこの空を羽ばたく日を信じて取り組んでいきます。そして、ここで得られた知見が全国の保護活動に広く役立つことを願っています。
プロジェクト概要(PDF)
ABOUT
背景

減少が続くイヌワシ
日本の空から消える前に
日本のイヌワシは、現在およそ500羽と推定され、年々減少しています。最大の原因は、生息環境の悪化。草地の減少や森林構造の変化により、狩り場と餌となる小動物が減り、繁殖率も低下しています。このままでは、日本の空からイヌワシが姿を消してしまうかもしれません。今こそ、本格的な保全と回復の取り組みが必要です。
ACTIVITIES
南三陸でのこれまでの活動
南三陸町では、南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会を中心に、生息環境の整備や啓発活動が続けられてきました。

伐採や植林による環境整備
尾根に沿って幅2mほどの草地帯「火防線トレイル」を整備。ボランティアによる植林など、人の手で生息環境を整えてきました。

官民連携の体制構築
協議会では、翁倉山域の森林を管理する登米市、南三陸町、株式会社佐久、宮城北部森林管理署の4者で生息環境保全に資する森林管理を行う協定を結びました。

絵本やフォーラムで広げる学び
絵本『イヌワシの棲む山』を発刊し、フォーラムも4回開催。地域ぐるみで、自然との関わりを学び、伝える活動が続いています。
HABITAT
生息環境
南三陸の生息環境は回復しつつあります

狩りができる環境が回復しつつある
イヌワシが生息していた1970年代に比べ、20%にまで減少していた狩場適地が、今では50%以上まで回復。今後もさらなる拡大が見込まれています。

餌となる動物が十分生息している
センサーカメラや現地調査によって、主要な餌動物であるノウサギやヤマドリが頻繁に確認されています。その出現頻度はイヌワシの繁殖が確認されている地域の2倍以上に達しています。
REASON
野生復帰が必要な理由
生息環境の再生だけでは
一度消えてしまったイヌワシを
呼び戻すことは困難です
翁倉山周辺では、伐採や生息環境再生の取り組みにより狩りに適した場所が増加していますが、近年はイヌワシそのものがみられません。さらに、隣接する岩手県における巣立ち雛数も激減しており、他地域から南三陸方面への分散、定着も期待できません。こうした状況から、生息環境再生だけでは南三陸にイヌワシを呼び戻すことは非常に難しく、野生復帰が必要だと考えます。

FLOW
野生復帰のステップ
01

放鳥個体の確保
域外保全※として動物園で飼育しているイヌワシの雛を譲り受けます。
※絶滅を回避するため動物園など安全な施設でイヌワシを保護・繁殖する取り組み。
02

雛の飼育
南三陸の山中の専用小屋で人の姿を見せず、野生の餌に近いものを与えるなど、なるべく野生に近い環境で飼育します。
03

放鳥・モニタリング
巣立ちの時期に小屋の扉を開け雛が自ら飛び立つのを待ちます。発信器などでモニタリングを行い、自立できるようになるまで補助的に餌を与えるなどのサポートを行います。
営巣環境の整備
放鳥したイヌワシの定着・ペアリングを促すため、過去の翁倉ペアの営巣地に人工巣を設置します。

さらなる生息環境の再生
イヌワシが生息できる環境の目標値を設定し、これまでの取組みを強化して生息環境の再生を加速させます。また、放鳥したイヌワシの行動解析、餌動物の定量調査等により、取り組みの効果を科学的に検証します。
SCHEDULE
全体計画
2029年までに、3回の放鳥・モニタリングを行う計画です。

